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「お金を盗まれた上に税金まで?」業務上横領が引き起こす負の連鎖

12 分前
読了時間: 3分

企業において社員による業務上横領が起きた場合、その被害は多大です。

被害は単に「資金を盗まれた」という事実にとどまらず、会社を倒産の危機に追い込むほどの「負の連鎖」を引き起こします。

この記事ではその「負の連鎖」を流れに沿って紹介していきます。


1.横領による資金の流出

会社の資金や利益、商品などが直接的に奪われるため、事業の継続や資金繰りが圧迫されます。具体的には経理・財務担当者による口座からの着服、店舗スタッフによる売上金の抜き取り、在庫の転売や無断処分などがあげられます。


2.税金とペナルティの発生

会社側は被害者であるにもかかわらず、税務上、社員が横領した資金は「本来会社が得るべきだった利益」とみなされます。そのため、手元にない資金に対しても、法人税などの税金が課されることになります。さらに、後から発覚したことによるペナルティとして「追徴課税」(所得を過少申告した時などに課されるペナルティ)が発生します。


追徴課税には意図的でない申告漏れであっても課される過少申告加算税や、横領の事実を隠蔽・仮装していたと認定された場合に課される重加算税などがあり、重加算税の場合、本来納めるべき税金に35%~40%程度が上乗せされます。これらの多額の税負担とペナルティが、悪化した資金繰りに決定的な打撃を与える可能性があります。




3.社会的信用の失墜

多額の負債を抱えるだけでなく、「管理体制が甘い会社」として取引先や金融機関からの社会的信用が失われてしまいます。また、社内に残った社員の士気低下も避けられず、一度失われた信用と組織体制を立て直すことは極めて困難です。



税理士に責任を問うことはできるのか

一方で、横領が発覚した際、毎月帳簿を確認している税理士への責任を問うことが可能かと思われるでしょうが、実際はかなり困難です。


税理士の主な業務は、提供された資料に基づいて正しい税務申告を行うことであり、提出された決算資料や領収書が偽造されていないかを見抜く法的な確認義務はありません。

また、社内の会計不正について、自ら進んで調査する義務や報告義務も原則として負っていません。実際に税理士をに対して訴訟を提起する事例はいくつもありますが、その多くは以上の理由により敗訴しています。外部の専門家に依頼しているからといって不正が防げるわけではなく、会社自身が内部統制の仕組みを持つ必要があります。


以上のことから横領事件が発生してしまった場合、事後の立て直しは非常に困難です。そのため事前の予防策がとても重要となります。不正を許さない社内風土を醸成することに加え、複数人での記帳体制の確立や会計ソフトの操作ログの監視など、不正が起きにくい仕組みを構築して会計の健全性を保つことが肝要です。


業務上横領は、資金、税負担、会社の信用に多大な影響を及ぼす重大な経営リスクです。

社内の経理体制を客観的に見直すことが、会社を守る第一歩となります。今一度、自社の体制を見直してみては


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